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「文明四年」(1472)十月十九日
宇土為光書状 刊本273号 (1/2)
文明四年、宇土為光が菊池重朝の阿蘇山本堂造営の棟別銭徴収依頼に対し、承諾の意向を伝えた書状である。鎌倉時代以来、宇土を本拠とした宇土氏は菊池氏一族とされるが、宇土忠豊の時、守護菊池持朝の子の為光が養子に入り家を継いだ。彼は後に重朝と争い、次いで亡命した能運に代り、守護の座を入手するなど、国内の重大な紛争の一方の主役でもあった。
本文書の宛名が守護家老者の隈部氏であり、また阿蘇氏への伝言もよろしくとの追而書<おってがき>を加えているところに、国内の国衆の一人としての独立性よりも身内的な親近感を感じさせる文書である。(阿蘇品)